カナリア・アイランズ(スペイン)

(記96/5/4)

hotel

リゾート地としては、世界的に有名ではあるが、日本からは遠い。


89年に私は行ったが、日本からスペイン直行便は当時なかったし、パリあたりへ行ってバルセロナかセビリア、マドリッドへ。
さらにそこから国内線に乗り換えて数時間。

パリやロンドンから直行便もあったかもしれないが、日本からのツアーもマイナーな旅行会社でやってるぐらいでカナリアだけというのはまずなさそう。


よって、日本人の顔はまず見ることはない。どこへ行っても日本人の顔を見るのはうんざりと思っている人にはいいかもしれない。

どこにある?

普通思い浮かべるスペインからは、ずぅ〜と南。モロッコの沖、大西洋に浮かぶ起伏に富んだ島々だ。


ここはもう気候的にはヨーロッパではない。明らかにサハラ砂漠の続きであるように思える。

でも、ここはスペイン。文化はあくまでもスペインであり、アフリカの香りはしない。


当然、言語はスペイン語で英語もホテル以外では通じにくい。
私は英語もおぼつかないしスペイン語などまったくチンプンカンプン、これには辛いものがある。

ちなみにスペイン本土でも日本人ツアーの立ち寄るような土産物屋やホテル以外では英語も通じないのが普通。
マドリッドで泊った3つ星ホテルなんかはフロントの人まで英語がわからず、キーをもらうにも部屋番号を英語で言ったのではだめだった。
で、たどたどしいスペイン語で言ってみたが違う部屋番号のをくれたので、あわてて紙に番号を書いてキーをもらった次第。

主な島は7つあるが、有名なのはラスパルマスのあるグランカナリア島と私の行ったテネリッフェ島(Tenerifeと書いてこう発音するのかと思うのだが、バルセロナへ戻ってテネリッフェへ行ってきたと英語で言ったが通じるのに時間がかかったので自信なし)。

ラスパルマスは、アートディングのパソコンゲーム「アトラス」でリスボンから南へ出港するとすぐに出てくるところですな。

ホテル

私の泊ったホテルは、島の裏側にあたる Puerto de la Cruz というリゾート地にある5つ星の Hotel Semiramis。

断崖に建てられたホテルで、到着してその階が10階だったかな、そこからエレベータで海際へ降りるように部屋へと行くわけだ。全室が海側で絶景かな絶景かな。

その10階にプールがあり、海には岩場で囲まれたラグーンがあり、それぞれヨーロッパ人が焼いている。外海へは岩場のため、行くことはできない。ビーチは別の場所にある。

ところで私は3月に行ったのだが、風が涼しすぎて、とても裸になって体を焼こうなんて思わなかった。でも、特にこの季節が寒いわけでないようだ。ところがヨーロッパ人はたくさん焼いているんだな、これが。私なら鳥肌でブツブツだろうな。日本人は特に寒さに弱いみたいで欧米人との感覚の差を感じてしまう。この頃のカナリアには北ヨーロッパから避寒客が多く来ているのだ。同宿にはフィンランドから大きな団体客が来ていたが、彼らにとってはちょうどいいようである。

部屋の中は特別豪華でもみすぼらしくもないさっぱりしたもので好感が持てた。

観光

テネリッフェで一番の観光スポットは、Teide山。小さな島だが、3718mの富士山と同じぐらいの高い山があって、カルデラも広大で岩ゴツゴツの異様な光景が目の前に広がる。晴れた日には雪の積もった山をバックに海水浴ができるという離れ業も可能とか。

海抜2356mの地点でカルデラが見れて、そこから3555mの地点まで一気にロープウェーで上がれるのだ。


ところが、私が行った時は風が強くて1時間ほど待たされた挙句、ロープウェーには乗れなかった。残念!!


ま、またおいでということだね。ただ、私は冬物のコートを着ていたが、待たされている間の寒いこと寒いこと、これで3555mまで行ったらどうなっていたことか。
回りのスペインの人たちが私が震えているのを見て「フリオ、フリオ」と盛んに言ってくれているのだが、私はフリオ・イグレシアスしか知らないので私がフリオ・イグレシアスに似ていると言ってくれているのかと最初は思ったが(似てるはずないか)、「フリオ」とは「寒い」との意味であった。

Teid

この奇岩はどこかで見た方もおられるでしょう、
これはスペインの紙幣の図柄になっているのです。


なんでもここはスペインの領土なんだぞということを知らしめるためだそうな。
バックは雪の残るTeide山

ところでここへはスペイン人ばかりの観光バスで行ったのだが、その時の若いスペイン女性のバスガイドのしゃべることしゃべること一日中早口でしゃべり続け。よく声が枯れないものだとこちらが心配してしまう。日本のバスガイドのようにゆっくり話したり、歌を歌ったりではではなく、とにかくまくしたてる。なにせバスの中は私だけが日本人なので話し相手もおらず、何を言ってるのかわからないので念仏にしか思えなかったが、、、

他にもいろいろ観光スポットはあるが、まぁそれなりという感じである。バナナ園で飲んだバナナリカーは甘いぞ。ここのバナナは世界で一番おいしいとのことで有名だそうだが、そんなにおいしいとは思えなかった。私が今までで一番おいしいと思ったのは、ブラジル・サンパウロの市場で買って食べたモンキーバナナである。

この島ではないが、他の島へ行けば砂漠が広がり、らくだでゆらゆらするところもあり(やはりサハラの続きだ)、とにかく変化に富んだ島々である。

ナイトライフ

night club

 

テネリッフェパレスというところでディナーショーをやっていて見に行った。8時ごろから食事で9時過ぎからショーとなった。内容はレビューにフラメンコ、テノールの歌声。その道の通の方からは、そんなに大した事ないよとは言われたが、こんなのあまり見たことのない私にとっては、まぁコテコテという印象でこれでもかこれでもかと迫力ある歌と踊りが続き、終わったのは11時半頃だったかな。

ホテルへ帰ると12時を過ぎていたが、昼間のあのバスガイドは「夜はこれからだよ、さぁどこへ行く!!」。こいつらの遊びに対するバイタリティーにはいつも感服してしまう。ここにはカジノもあり、まさになんでもありのリゾート地であるが、お酒に弱い私はワインと言葉がわからない疲れでヘロヘロになっていてそのまま部屋で寝てしまったのであった。実はカジノは大好きでそれについては別のコラムでまた述べてみたい。

あれこれ

ホテルの近くのスーパーに買い物に行くとキャビアが数百円で売っていたので思わず、買って朝食のパンに付けて食べた。黒いのやオレンジ色のがあった。キャビアと言えば高価なものと思っていたので歓喜したわけであるが、後で聞くに魚の卵をキャビアと言っているわけで、安いのがあって当然とのこと。がっくり、、、 


いわゆる我々のいうキャビアはちょうざめのロシアンキャビアでこれは高価。結婚式の披露宴の際に出ることはあるが、これもロシアンキャビアであることは少ないそうな。
私も一度だけロシアンキャビアを食べたが、その差はあまりわからなかった。こりゃ猫に小判。しかし安物でもリッツのクラッカーにのせて食べるのはおいしいよね、なんで日本のスーパーには売ってないんだろう。

フリオ・イグレシアス。世界的に有名でもちろんスペインでも有名であるが、アメリカに住んで英語でよく歌うのでスペインの人にとっては少し気に入らないらしい。私もあるスペイン人に英語でたどたどしく話そうとするとどうせ覚えるのなら英語でなくエスペラント語を覚えろと助言してくれた人がいた。英語に対しては強い対抗意識を持っているようだ。

スペイン人の食に対する感覚には驚かされるものがある。ツアーの昼食でステーキとワインが出た際にそれがどうもまずかったようでみんなが残すのである。少なくとも私には残すほどまずいとも思わなかったし、思ってもある程度は食べてしまうと思うのだが、これは日本人の習性かな。まずいものは食べないスペインの人々にびっくり。