セイシェル  (96/6/7記)

ケニアの東、大西洋に浮かぶ美しい島々。以前は英国航空で香港、スリランカ、セイシェル、ケープタウンという路線があって(元英領ばっかし)、新婚さんも多く行ったようだが、近頃は、乗り換えが必要のようで行きにくそうだ。

私は84年というから、もう10年以上前になる。ケニヤへの行き帰りに寄っただけなので本当の良さを体験できないまま、去ることになった。しかし、その短い間でもセイシェルの良さの一端は感じることができた。

ヤシの木に美しいビーチ、まさに南の島を絵に描いたようなところ。絶滅を心配されているゾウガメがいる。ここにしかない双子ヤシがある。アジサシの群生が見えるバードアイランド。まだ、日本人観光客に荒らされていない数少ないリゾート地である。長くいるのにいいところだ。

象ガメ

ただし、食事がどうも合わない。日本食どころか中華までなかったように記憶している。後で考えればマレー系の料理のような味かとも考えられるが、何分昔のことでさだかでない。おもしろかったのは、ホテルに何組か日本人グループがいてツアーに食事が付いているのと付いていないのがあった。私の場合は食事など付いていなかったが、彼らにとっては日本人は誰も同じに見えるのか皆食事代はただになってしまった。

部屋には勿論エアコンが付いていて夜も回しっぱなしにしておかないと寝苦しいのだが、これが曲者。エアコンといっても昔日本にもあった横長のウィンドタイプ(今でも若干は残っているが)で、さらに大きいクラスのようで振動がでかい。さらにさらにまずいのは部屋が固い壁(多分、煉瓦)で囲まれているため、部屋の中で共振してある一個所に集中的にワーン、ワーンと凄いこと。この一個所が枕元であったのでたまらん。部屋を変えてくれというにも同じような構造なのであきらめ(後で他の部屋のエアコンを外から見ると一部屋一部屋違うメーカなので善し悪しはあったかも)、結局ベッドをまったく有らぬ方向に移動し、事無きを得た。次の日、ベッドメーキングの人はどう思っただろうな。結構、またかと思っていたりして。

夜、浜辺へ行くと小さな桟橋に明かりがともっていてなかなかロマンチック。明かりの下には魚たちが集まっているようで子どもたちが同じように集まってワイワイ言っている。どれどれ、どんな魚がと寄ってみると5〜10cm程度の小魚ばかりでたわいもない。昼間リーフで見られた色のきれいな魚は見うけられなかった。いや暗いので色がわからないのかもしれない。横から見ると大きくてきれいなのも上から見ると細長くしか見えないしね。よくよく見ると、おやー、1匹だけ上から見て平べったいのがいるぞ。なまずがいるわけないし、ヒラメぐらい私でもわかる。そう、これはサメの子どもだ。それを言うと(baby of sharkと)子供たちは逃げていった。子どもがいるということは大人がいても不思議はないようにも思えるが、海岸べりには寄り付かないということか注意の標識もそんな事故も聞いたことない。まぁ、これだけの有名なリゾート地で有り得るはずがないと次の日も泳いではいたが。逆にトローリングできるところにはサメがいても不思議はないとも言えそうだ。

日本人に荒らされていないというが、そうでもない。道に市が立つ時がありそこであの双子ヤシが売られているのだが、私が行った時は日本行きの飛行機の出る日で、前日に日本人が全部買っていったから何もないよ言われてしまった。この双子ヤシ、磨いたのと磨いてないのがあるらしくお土産には主に磨いたのが好まれる。これがまた三重にある「秘宝館」におくのがもっともと思わせるぐらい女性自身にそっくりでヘヤーまで付いている。なんでもこれは雌株であって雄株はペニスそっくりというがそれは私は見たことないので真偽のほどはわからない。

トローリングをやってみた。というのは、一緒に行った人が毎年1回トローリングとゴルフの両方ができるところに旅行するという人で連れていってもらったのだ。後、いろんなところでトローリングの情報を得たが、世界中どこでもほぼ同じぐらいの料金で大体、半日で5万円程度、1日で5〜8万円かな、円高になってもたまたま同じになってるかな。ただ、私自身はこのスポーツはまさに殿様スポーツなのでいまいち好きになれないのだ。食べるためでなく大きな生物を格闘の末、殺すのはどうも気が滅入る。釣った後、リリースするところもあるようでこの場合、少しは罪悪感も薄れるが、魚によっては相当格闘するのでうぅーんである。私自身はあまりやらないのでえらそうなことは言えないが、罪悪感もありながら、これが結構楽しいのである。ビールを飲みながら日光浴をして、ボートをぐるぐる回らせておく。ぼーっとしていると「当たりがあったよぉ」と呼ばれて、おもむろに椅子に座って格闘。ボートサイドまで寄せると引き上げてくれる、まさに殿様である。基本的にトローリング以外も魚釣りをやる方ではないのでやっておられる方にはなんだと思われるかもしれないのですが、魚の色ってあんなのだったのですかと聞き返したいぐらいすごい色してるんですね。私の釣った中にシイラ(シイラカンスではない、場所は近いが)、これが釣ったときはまぁなんと派手な黄色と黄緑と青を混ぜたような凄い色使い。これが岸に着く頃には我々が魚屋さんでよく見る青い背に変わっているのだ。この色を見るだけでも魚釣りは贅沢だ。

ホテルの横には小さなゴルフ場があったが、私はやらなかった。ちょっと覗いてみたが、ヤシの木に囲まれたそれなりの雰囲気のコースであった。

ところで血は混ざれば混ざる程、女性は美しくなるというのが私のセオリーであるが、ここセイシェルは、インドアーリア系、マレー系、アラビア系、ニグロ系、そして白人の血が混ざっているようで、なんともエキゾチックという言葉がぴったりの女性を目にすることができる。

海岸

私が行ったのはもう10年以上前であるので今がどうか知っている人は教えて欲しいのだが、当時は大きなホテルもなく(いやあったかもしれないが、私は平屋のホテル)遊ぶ施設もあまりなく、それが逆にのんびりしていて押し付けがましくなくて私は好きだ。バードアイランドのセグロアジサシの群生なども時間があれば見たいものだが、その島へは日帰りでは行けないし、バショウカジキをゲットするなら季節を選ぶ必要もあるしで、まぁ手軽なリゾート地とはいかないようだ。 でももう一度のんびり訪ねてみたい島である。帰りもBAで15時間かかって伊丹空港であった。今は路線も空港もない。いや伊丹空港自体はある。